パリ・レビューによるとヘミングウェイは毎日書いた物を推敲していたらしい(もちろん原稿になってからも推敲した)。そんなやり方でまともに小説を書けるんだろうか。書いている途中で推敲すると明らかに筆が鈍る。『流星を打ち砕け』も最初は毎日推敲していたが、どんどん書けなくなったので、千秋がユニコと再会する辺りでやめた。そこからはぐんぐん書けるようになった。でも書けることが偉いことか?

 私達は小説家が一年に何冊も本を出すことに慣れていて、昔の作家は、一年に一冊、あるいは数年に一冊というペースで書いていたことを忘れている。それも大長編ではなく文庫本で言えば小指より細い一冊の本をだ。

 Season3はもっと小説に対して真摯に取り組んでみたい。仮書きの段階でも毎日推敲してもいいのではないか。勢いに頼らずに書いてもいいではないか。むしろ勢いで大事なことをごまかしているのではないか。そんなことを今は考えているが、いざその時が来たら進みの遅さに耐えきれなくなって推敲を後回しにするかもしれない。

 小説はもう書いてしまったので、今は雑感帳や日記を毎日推敲している。それで何かがすぐに変わるとは思えないけれど、10年後にはどこかに到達できているのかな。

(おわり)

ヘミングウェイって何者なん?

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