5日の休養前はもうこれ以上『聖者の行進』を改稿するのは無理だと思っていたのに、三日目からまだできるんじゃないかと思い始めて、少しやってみると……やっぱりできた。どうも休養期間中にもりもり脳が成長しているような気がする。今回の30日はけっこうキツくて一日早く休養期間に入ったのだが、最初の二日は頭の中がひゅんひゅんしていた。この感じはどこかで味わったことがあるな、と思っていたが、筋トレの超回復期間に似ていることに気付いた。そういえばこの前の休養期間三日目に『聖者の行進』の改稿に少しだけ手を付けていた。諸説あるが超回復は48~72時間の間に起こる。脳は筋肉と同じなのかもしれない。

 で、休養明けに『聖者の行進』をがっつりやると一日で10万字も改稿できた。犯罪的な進み方に戦慄したのだが、次の日は全然ダメだった。やっぱりどれだけ調子が良くても一日3~4時間しか執筆とか改稿はできないような気がする。それ以上やると次の日に悪影響が出る。時間を伸ばすより3~4時間のスピードを上げる方向なら伸びる余地がある気がする。
 
 どうして休養明けはいつも信じられないトップスピードが出るんだろうと考えて、睡眠時間が長いからではないかと考えた。休養期間は心なしか寝るのが早いような気がする。なので今日は10時間眠ってやるぞ、と意気込んで布団に入ったのだが、そんなに都合よく眠れるはずもなく、かえって深夜の三時まで起きていた。その日は何もかもがダメダメな日だった。

 どうすれば眠れるのだろうと考えて、もしかすると眠らなくても良いのではないかと発想の転換をしてみた。眠らなくてもいい、布団に入って目をつぶっているだけでいいと決めて、夜早くに布団に入ると、心も体も落ち着いて、これなら眠れるんじゃないかと思っていたら、本当に眠らずに朝の4時になった。新聞配達のカブの音がして、土曜日だから近所の子供が朝早くから外ではしゃぐようになると布団を出た。

 朝ごはんを食べて『聖者の行進』の改稿と『幽霊になった私』の改稿をした。すると、そこそこの速さで改稿できてしまって、ちょっと驚いている。しかも全然眠くない。車も普通に運転できるし、本も読める。絶好調とまではいかないが、まぁそこそこ一日だった。実は人間は眠る必要がなくて、安静にじっとしている時間があれば充分なのかもしれない。でもたまたま元気がある日だったのかもしれないので、もう一日試してみようと思う。

(2018年 4月21日 牛野小雪 記)

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