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エバーホワイト (牛野小雪season2)
牛野小雪
2016-11-10
かつては東京のある会で表彰されるほど優秀だった正文は落ちぶれようとしていた。
そんな時彼は肉体労働に従事している長谷川さんと出会う。
二人の共同生活が始まると、正文は長谷川さんの心と体がクスリに侵されていることを知る。
正文は長谷川さんを救うために自分もクスリを飲むことにした。
クスリと正文とで長谷川さんの奪い合いが始まる。


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本編を最後まで読んだことがある人はこちらへ→『エバーホワイト』に一言もの申したい!

進捗状況『エバーホワイト EVER WHITE』 No.1

 0字

 今回はいつもと違う書き方をしたいと思っている。
 今までは何とか書いてやろうと私の方が頑張っていたが、今度は小説の方に頑張ってもらいたい。もちろんひとりでに小説が書けるはずはなく、文字を打つのは私の指でしかありえないのだけれど、イメージとしては小説の方でひとりでに考えて、ひとりでに膨らんでいく。

 何もしなければ何も起こらないかもしれない。まぁ、その時はいつもの様に小説のケツを押しながら書くことになるだろう。

(おわり 2016/07/10)

進捗状況『エバーホワイト EVER WHITE』No.2

17,000字くらい

 今回は初っ端から手間取っている。時々身悶えしそうになることがある。

 書きたいものを書くっていうけれど、私の場合は都会的でオシャレなやつを書きたい願望がある。でも、自分の中から出てくるのはぜんぜん違うんだよなぁ。イメージは自分で作れるものではなくて向こうからやって来る

 昨日昔のノートをぱらっと開くと、今書いているのと同じ人物像のメモが書かれていた。それぞれルル子さん、ルルちゃんという。

 ずっと前に捨てた案だった。その時は無駄になっても、意識の暗いところで発酵して形を変えて蘇ってくることもあるのだ。こんなことがあるから面白そうなことは何でもメモはしておくものだね。そういう意識の陰に捨てられたアイデアに支えられて小説が書けているのかもしれない。

 種をまかなきゃ芽は出ない。もっともっとアイデアを捨てれば、意識の裏で発芽して、今より楽に執筆できるのかも。

(おわり 2016/07/17)

進捗状況 『エバーホワイト EVER WHITE』No.3

 21,893文字

 麻薬というか薬物全般について調べていたが、その中でもマリファナ(通称大麻)の効果がよく分からなかった。 基本的にはダウナー系といって抑制系の作用があるのだが、本によっては幻覚を見たり、ハイになったりする効果もあると書いてある。

 どの本に書いてあったかは忘れたが、マリファナでハイになる理由を見つけた。マリファナはとにかく抑制系、ただし使い過ぎると抑制系の神経が抑制されてハイになるそうだ。マイナス×マイナス=プラス。そこを読んだ瞬間、越えちゃいけないラインを越えた感があって、体の奥がふわっと浮き上がる感じがあった。

 そう考えると、躁鬱病は鬱病によって抑制神経が抑制されてハイになった状態なのかもしれないとGoogle先生にお伺いを立ててみたが躁鬱のメカニズムはまだよく分かっていないらしい。

 過去の小説家にも薬物中毒は何人かいるが、創作系は元気がいくらあってもアイデアがないとダメだが、幻覚を見るタイプの薬物は良いそうだ。幻覚系はLSDが有名だが、原材料はどこにでも手に入る物で、日常的に食べている人がいるだろう。でも、LSDで逮捕という話は聞かない。精製が難しいのだろうか。それとも自宅で作っているから足がつかない?

 作家が薬物に頼るようになったら終わりだね。芥川龍之介も晩年の物は好きじゃない。彼はアヘンをやっていたそうだ。薬物は人生のうさを晴らしてはくれても執筆の壁を取り払ってはくれない。自分の腕だけで書けるといいね。

(おわり 2016/07/24)

進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.4

27,113文字

 経験上書く時間も余裕もあるのに書き詰まるのは今までと違う場所に飛ぼうとしているからだ 。ここを越えれば楽に書けるはずだ。

 あと何日でゴールに着くかな。今日で7月も終わりか。暑いのも書き詰まる原因だ。どうすればマシンガンの様に言葉を出せるんだろうか。

 振り返ってみると1週間で4000字は書けている。ということは1年で20万だ。誰かを待たせているわけでもない。今年中には書き終わっているだろう。

(おわり 2016/07/31)

進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.5

35,710字

 執筆はまずまず。本当に書けない時は0になるし、先週よりは進んだので良いんじゃないか。手応えはかなりある。これでもっと書けたら言うこと無しなんだけど、なかなか楽に書かせてくれないものだ。

 執筆は才能が必要。まずこれがないと始まらないと言った作家がいる。私も同じ意見で才能がないとまるでダメだろう。だけど、自分に関しては才能なんてないと思っていた方がいい。あると思えばそこにあぐらをかこうとする。

 自分には何もないと思い込む。才能のあるやつ、天才に負けてたまるかという気概は持つ。もし才能のある人間が自分には才能がないから、別のところで天才を凌いでいこうと思えたら恐ろしい。鬼に金棒、向かうところ敵なし。

(おわり 2016/08/07)

進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.6

42,945字

 
言葉の便秘に悩んでいる。頭の中に詰まっているのは分かっているけどうまく出てくれない。下痢になられても困るが、もうちょっとするする出てこないかな、なんて思っている。バナナが足りないんだろうか。もしくは腰痛体操とか。

(言葉じゃない方の)便秘について調べているとオリゴ糖が腸内環境を整えて便秘に良いそうだ。もしかするとオリゴ糖で言葉の便秘が治ったりしないかな。

(2016/08/14 牛野小雪 記)


進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.7

  先日、王木亡一朗さんがnoteに書いていた短編を読んで「うわ〜、すごいの書いてきたな〜」と驚いた。執筆が進まないで鬱々としているときだと許せないとさえ思う。だからギターを食わせようと思った。
 
 両親のギター inspired by『レモン/グラス』王木亡一朗

 書いていて面白い小説がある。書いていて苦しい小説がある。エバーホワイトは久々に苦しいと感じているでも次に書こうと考えているものはこれをこれを書いておかないとマトモに書けないぞという予感がある。火星を書ききるためにドアノッカーを書いたのと同じだ。

 もうじき大きく場面展開するところまできたんだけど、お前バカじゃないのって自分でツッコミを入れるような話を書いている。お前本当にこれを公開するつもりか、と。特にPCから離れていると、その傾向が顕著だ。もしかしたら夏の暑さで本当にバカになっているのかも。でもさ、バカでも駄作でもいいから力の強い物語を書いてみたい。

(おわり 2016/08/21)


進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.8

 68,000字くらい

 先週は失語症の本を何冊も読んでいた。失語症は浅いのから深いのまであるが、頭の中に言葉があって、それが出てこない。もしくは言葉にできないという症状。私の場合はイメージが頭の中にあるが、それが言葉にならないという感じか。

 結局失語症ではないので治し方は分からなかった。しかし(あれっ、俺のじいちゃん実は失語症だったんじゃないか?)という疑問が湧いた。

 言葉が出ないからといって、思いがないというわけではなく、言葉が乱れているからといって、背景にあるイメージも乱れているとは限らない。出力が変になっているだけで、中身はマトモという可能性はある。事実、失語症は認知症と間違われることがあるそうだ。色々と思うところはあるがじいちゃんはもう死んでしまったので真相は謎のままになってしまった。
 
 失語症の本を読んでいて笑えたエピソードがある。失語症のリハビリでは簡単な質問を繰り返すのだが、ある男性はリハビリを始めると突然怒りを爆発させて「こんなくだらんことやってられるか!」と医者を一喝したそうだ。私にもその気持ちはよく分かった。リハビリ問題の例文があったが、あまりに退屈なのですぐに読み飛ばしたからだ。

 その人は後になって振り返ると、この時ばかりは強い感情が沸き起こって、思っていることが口に出せたそうだ。失語症とは感情を出せない病気なのかもしれない。ということは恥ずかしがり屋を直せば書けるようになるのかな。

 エバーホワイトを書くときは緊張している。こんなもの誰も読まないんじゃないか。そもそも面白くないのでは? 単純に人に何かを見せるのは緊張する。そうやってビビっているのが書けない理由なのかもしれない。(でも緊張がないと良いものが書けない気もする)

(おわり 2016/08/28)

進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』NO.9

 76,000字くらい

 昨日『世界から猫が消えたなら』という本を読んだ。冒頭の部分を読んで、これは新しいと感じた。短いシーンをブロックみたいに積んで、物語を組み上げていく。なるほど売れたというからにはそれなりの理由があるのだなと最初は思っていたが、途中から普通の小説になった。でも冒頭はなかなか興味深かった。

 最後まで読めば面白い物語というものはある。というより大体の本は最後まで読めばそれなりに面白いものだ。だが、それを知るには最後まで読み通さなければならない。今は面白い物語より、段落で完結した物語が求められているのかもしれない。

 エバーホワイトは最後まで読まなきゃいけない類の話だ。よく書けてはいるが時代に追いついていないかもしれない。

 (おわり 2016/09/04)


進捗状況『エバーホワイト EVERHWITE』No.10

 85,000字くらい 

 今週は一山越えて一日休み、プロットを書き直していた。なので三日ぐらいしか執筆していないがけっこう書けた。こんな調子でいつ終わるのかなと思っていたけれど、ラストは見えてきている。

 リズムとフレーズどちらを取るか迷う時がある。 先週はこのフレーズを入れたいけれど、これを入れるとリズムが崩れるという決断に迫られた。結局リズムの方を取る。音のない言葉だけの世界にリズムなんてあるのか、と言われれば『ある』としか言えない。どんなリズムかと言われれば言葉にはできない。

『エバーホワイト』長いリズムだが蒲生田岬よりかは読みやすいかもしれない、たぶん。まぁ、蒲生田岬を書いたのはもう三年も前だ。それからずっと書き続けているので嫌でも腕は上がっているのだろう。

(おわり 2016/09/11)

進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』NO.11

 100,000字ぐらい

 エバーホワイトにはルルちゃんという子が出てくる。書いていて嫌な女だなぁと思う。その反動のせいか、元ネタのルル子さんのイメージが膨らんできた。こっちはいい女だと思う。元ネタは嫌な女だったが、イメージが膨らむとイメージが変わったのだ。もしかしたら書けるんじゃないかと思うが、このペースで執筆していればイメージが膨らむ前に終わりそうだというのが残念だ。本腰を入れればちゃんと物になるかな?

(おわり 2016/09/17)


進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.12

115,000字

 エバーホワイトを執筆中、スチュワーデス と打とうとしてはたと手を止めた。
  そういえば最近スチュワーデスって聞かないな。どことなく古臭く感じる。それで調べてみると今はスチュワーデスは差別用語になるので使われていないそうだ。今は客室乗務員、もしくはキャビンアテンダントという。それを調べる過程で八百屋、床屋、眼鏡までも差別用語になると知った。

 言葉を禁止するより、差別を感じる心の方を変えたほうがいいんじゃないかなとも思うのだけれど、心なんて、ほれ、とここに出せるものでもなし、形に見える言葉の方で変えるしかないのかな。

(おわり 2016/09/25)

進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.13

 120,000字くらい

 やっとラストを射程圏内に収めた。先週と同じくらい書けていたら、もうエピローグを書いていてもおかしくはない。よっぽど緊張しているのだな。

 執筆は一字一字積み上げていくというよりも、イメージの岩に隠れた小説をノミで掘っていくようなものかもしれない。文章を削れとはよく言うけれど、本当はイメージにこびりついた岩や雲を削れって意味なのかも。エバーホワイトも最初の構想とは違っているけれど、イメージは変わっていないしそういうことなのかな。今まで書いてきたのもそうだ。

(おわり 2016/10/02)

進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.14

 129,000字 

 私はエバーホワイトを書くのをビビっている。実力以上の物を書こうとしているからだ。ということはビビらずに書けるようになるには自分が大きくなるしかない。そうすればエバーホワイトも他の小説も書けるようになる。


(おわり 2016/10/09)


進捗状況『エバーホワイト EVER WHITE』No.15

 143,000字

 先週と比べると1万字ちょいしか進んでいない。それでも今週はよく書いた。主観的には毎日4、5千字書いている時と同じ手応えだ。

 そろそろ初稿が書き終わるエバーホワイトはどんな話なのか。今の段階でひとつだけ言えるのは、エバーホワイトはグッドライフ高崎望とは別ベクトルの恥ずかしさがある物語。こっ恥ずかしいのではなく、大恥ずかしい。もうお嫁に行けないかもしれない。

 高崎望みたいにボーイミーツガールの場面がある。王道ではない。しかし表面は明るい印象。なんで明るいのかといえばクスリをキメちゃってるから。イケイケすぎて逆にムカつく。

(おわり 2016/10/14) 

進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.16

 151,000字

 初稿ができた。エバーホワイトはけっこう納得がいく出来になっている。作者的には生みの苦しみを味わった甲斐はあった。

 エバーホワイトを読み返していたのだが、構造上どうしても緩くなるところがある。これはエバーホワイトだけではなく全部の作品がそうだ。起承転結の構造にこだわっているからだろう。転がしてやろうという下心が筆を鈍らせる原因かもしれない。

 それならいっそ転のない作りで書いてはいけないのかと考えた。どこまでも締めて締めて積み上げていくだけという物語が作れないのかな。
まだ起承転結の形は捨てられないが、新しい物語の構造が作れないかなと考えている。

(おわり 2016/10/23)

進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.17

 150,000字 

 今回は長編と言ってもそれほど長い物ではないので、推敲も早く回ってくれた。

 今回の話はちょっとイメージを優先してみた。自覚はないが作風がどんどん抽象的になってきているとは言われていて、今回は意識的にそちらへ持っていったというわけだ。

 幽霊になった私もわりと抽象的な話で、幽霊になった女の子が月まで飛んで行くようなお話なのだが、最後の最後だけはこれじゃあたぶん伝わらんだろうということで、かなり文章を足している。本当は私がアキに元に戻って(おわり)となるはずだった。

 でも本当はアキのメタファーじゃなくてアキそのものが帰ってきたところを表現したかったんだな。それをタニスで表現したから、分かりやすい分だけイメージがちっちゃくなった印象がある。人と猫の違いぐらい。

 エバーホワイトも一行足すかどうかで迷っている。いや、それを足すと他にも足す必要が出てくるから三行くらいかな。

 エバーホワイトは来週には完成して出版できるだろう。


(おわり 2016/10/30)


進捗状況『エバーホワイト EVERWHITE』No.18 last number 〜小説を書き終わった後、最初は自分のことを天才だと思う〜

 書き詰まった時にターンワールドを読んだ。冒頭から脳みそに張り付くような気持ちよさがあったが、しばらく読んでいると、ここも、あそこも、と書き直せるところが見つかって、1章を読み通すだけでかなり疲れた。やっぱりこういう時は他人の本を読むに限る。

  エバーホワイトも初稿を書き上げた時は自分を天才だと思った。一度読み返すと、こんなひどい物を書くために数ヶ月も頑張っていたのかと頭を抱えた。初稿は作者が思っている以上にひどい。最初から完成稿を書く作家もいるらしいけれど本当かな。

 そのあと、やっぱりいい、やっぱりダメだを繰り返したり、絶対に必要だと思っていたセンテンスをばっさり落としたら何故か綺麗に文章が通ったり、あるいは思いもしなかったところに三行、五行と書き足したり、そんなことをずっと繰り返していると、まぁそこそこ良いんじゃないかぐらいまでには落ち着いてきた。

 とにかく11月10日に新作エバーホワイトが出ます。予約販売なので最悪牛野小雪が死んでも出ます。今年いっぱいは99円で販売する予定なので、気が向いた方は読んでみてください。

 (おわり)

エバーホワイトをリリース開始

エバーホワイト (牛野小雪season2)
牛野小雪
2016-11-10
かつては東京のある会で表彰されるほど優秀だった正文は落ちぶれようとしていた。
そんな時彼は肉体労働に従事している長谷川さんと出会う。
二人の共同生活が始まると、正文は長谷川さんの心と体がクスリに侵されていることを知る。
正文は長谷川さんを救うために自分もクスリを飲むことにした。
クスリと正文とで長谷川さんの奪い合いが始まる。