愚者空間

牛野小雪のサイトです。 小説の紹介や雑記を置いています。 あと短い話とか。

タグ:短編

 最近の作家はそうでもないようだが、昔の作家は短編が多い。芥川なんかは短編ばっかりだ。しかし夏目先生は最初から猫の大長編を書き上げている。続けて書いた坊っちゃんもそこそこある。短編は少ない。でもないわけじゃない。初期の頃は何年か書いている時期があった。  ...

 毎年夏が終わる頃、両親から土のついた野菜やお米と一緒にギターが送られてくる。 某一朗 ( ぼういちろう ) の実家はギター農家で、収穫時期が過ぎると規格外の出荷できないギターがダンボール箱一杯に送られてくるのだ。  むこうは生活の足しにと思っているのだろう ...

よう、俺だ。ヘリマルだ。いきなりであれだが、おまえら、もし仙台で働くような事があれば隙間社だけはやめておけ。第一印象は恐らく“怪しい”だろうが、事実それは正しい。本当に怪しい会社だ。真っ当な顔をして実は……という事がないので、ある意味良心的かもしれない。時々何を血迷ったか、まだ若い真面目そうな奴が入ろうとしてくるが、お引取願っている。なにせ若さには未来があるからな。俺達だってそれぐらいの良心は持っている。悪い事は言わない。仙台で働くならまずは白昼社へ行け。仙台の会社を10+1社渡り歩いた俺が言うんだから間違いない。あそこは良心的だ。給料も良いし、定時で帰れる。俺だってチャンスがあれば入りたい。 ...

タマコとマサモリはスキー場に来ていた。マサモリは何度か滑った事があるが、タマコは初めてで、初日は彼に付きっきりで滑り方を見てもらった。最初は滑ろうと思えば止まり、止まろうと思えば滑る有様だったが、一度ロッジに戻ってカレーを食べると、何故か滑る事ができるようになった。 “最初でそれだけ滑られるのなら才能があるよ”とマサモリは言った。  ここへは三日の予定で部屋を取っている。 次の日は難しいコースに誘われたが、何でもないように滑る事ができた。むしろ雪面が荒れていなかったので簡単だったような気もする。 ...

 毎年梅雨が明けると僕は父に連れられて山を登る。それもちゃんとした道ではなく、車を道路脇に止めて山の中へと進む。父の車はスバルだ。その前もスバルだったらしい。僕は生まれていたが覚えていない。全ては写真の中の事だ。  家を出た頃は薄く汗ばむほどだった気温も ...

題名:知られざる世界へ作者:牛野小雪  とうとう最後の時がきた。誰にだって初めてはある。要はビビらないことだ。一度飛び込めば勝手に向こう側へ着いてるはず。といっても向こう側がどこかは分からないし、あるかも定かではない。実際に行ってみれば分かることだ。 ドア ...

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