愚者空間

牛野小雪のサイトです。 小説の紹介や雑記を置いています。 あと短い話とか。

タグ:ヒッチハイク

『ヒッチハイク!』の改稿終わり。今月も絶好調だが結局10日ぐらいかけてしまった。一日一万字ちょいのペースだ。

 この小説を改稿していて、ふっと気付いたことがある。小説家は小説の中においては神で、どんなことを書いてもいいんだってこと。変な有人飛行計画で火星に飛んだり、猫の集会にUFOが現れたり、幽霊になって月に飛んでいく話を書いたっていい。
 ↑この話はそういう世界観をベースにしているから、そういうことが起こってもおかしくはないけれど『ヒッチハイク!』は現実世界をベースにしておきながら、海鳥に追い込まれた魚が波と一緒に浜に打ち上げられて、それをみりん干しにした物を小料理屋の女将さんに食べさせてもらったり、ヒッチハイクしたトラックのエンジンからベニズワイガニが出てきて、信号が赤のうちに食べてしまうとか。そういう話なのである。

 ある小説における神は、その小説を書いている小説家自身だ。5円ぐらいあげて、お参りすればご利益があるかもしれない。

 さて、次は『幽霊になった私』の改稿だけれど、このペースだと次の休養期間を挟んでしまいそうなので『聖者の行進』を改稿してみようと思う。半年前のだからたぶん一週間でできるはず、たぶん。

(2018年4月7日 牛野小雪 記)

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 川端康成はすんごい作家である。

 川端康成といえば『雪国』と『伊豆の踊り子』で語られて、特に前者は”国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国だった。”は百回ぐらいは聞いたことがある。しかしどちらを読んでも肌に合わなくて、しょせん昔の人だからと省みることはなかった。

 それがつい先日何故か本屋にふらりと入り、何故か川端康成の棚を見て『山の音』という本があるのを見つけた。こんな本もあったのかと何故か手に取り、買って帰った。それでぱっとページを開いた瞬間に、あっ、これは『雪国』とは違うぞ、と分かった。それで何ページか読んで、とんでもない物を読まされてしまったなぁと感心した。

 ここ数ヶ月改稿ばっかりしていると(今もしかして私はとんでもない文章を作っているんじゃないか)と思う瞬間があって、内心天狗になる時もあったけれど、川端康成はもう何十年も前にそんな場所を通り過ぎていた。謙虚にならなければならない。まだまだ精進しなければならない。

 その川端康成の文章を読んで、ふと私の中にあるひらめきが降ってきた。比喩は言い切った方が強くなるのではないか。

 そこで『聖者の行進』で試してみた。

 ユリは太陽のように可愛らしい女の子だった。彼女が笑うと世界が明るくなった。

 ↑これをこう変えた↓

 ユリは太陽だった。彼女が笑うと世界が明るくなった。

 もちろんユリは人間の女の子なので太陽ではない。この文章は間違っている。でも、こっちの方が良い気がする。たぶん間違っていない。比喩は言い切る方が強い表現になる。

 というわけで改稿中の『ヒッチハイク!』でも試してみた。

 胸は大玉スイカを詰めたように膨らんでいて、お尻はかぼちゃみたいだ。僕が驚いたのは彼女の顔だ。アスファルトにスイカを叩きつけて、たるんだギョウザの皮を被せたような顔をしていた。

 ↑これを言い切ってみる↓

 胸は大玉スイカで、お尻はかぼちゃだった。僕が驚いたのは彼女の顔だ。アスファルトにスイカを叩きつけて、たるんだギョウザの皮を被せていた。

 ん? う~ん、いまいちか。っていうかスイカで喩えるの好きだな。聖者の行進でも何かをスイカにたとえたような気がする。でもやっぱり下の方が良いような気がするなぁ。明らかにおかしい文章だけど、上より下が良いような気がするなぁ~(←言い切らない)。

 言い切らないことばかり言うけれど、言い切る比喩はもうちょい進化できそうな気がする。でも今のところはひらめきどまりだ。

(2018年4月3日 牛野小雪 記)




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 ヒッチハイクはほとんど人名が出てこない。副題が~正木忠則君のケース~だが、たぶん彼の名前が出てくるのも片手で数えるぐらいではないだろうか。改稿している時に忠則とかいきなり出てきて、作者でさえ一瞬誰だか分からなかったほどだ。最後に出てくる姉の夏未の方がよっぽど名前が出てくる。
 他の人は旅館の女将さんとか、男とか、インド人とか、ヒッチハイクの小説を書こうとしている牛何とかという小説家とか。彼らに名前はあるのだが正木忠則君は人の名前を忘れてしまうので、そうなっている。理由はない。そういう小説を書いてやろうと技に振った小説だった。

 名前は別にあってもなかっても支障はなかったが、旅館の女将さんと、大阪のおっぱいが大きいひどい顔をした女は『エバーホワイト』を書いた後だったらもうちょっと別のことを書けただろう。でもこの時はどうしても一歩踏み出せなかった。その時、その時で書ける物を書くしかないんだからしかたがない。火星の話だって本当はオペレーターの女の人とのやりとりがメインになるはずがどうしても女性を書くのが恥ずかしくてメールの味気ないやりとりになったようなものだ。
 『聖者の行進』から全作改稿を始めてから4ヶ月が経とうとしている。まだ『ヒッチハイク』を改稿しているということは半年近くかかる計算になる。この間に色々書いた物はあるが誰かに読ませるための小説は一文字も書いていない。これだけ長い間書かなかったのは初めてで、また書けるのかなと不安になるのだが、また別のところでは凄い物が書けるんじゃないかとも思っている。
 『聖者の行進』から一章ずつ、短い章を繋いでいく物は1万字前後のファイルに分けて改稿をしていて、大体5~7回ぐらいやる。場所によっては10回以上する。何度も同じような文章を読むことになるのだけれど不思議と飽きない。むしろやればやるほど読むのが楽しみになる。一番良いのは一文字も変えなかった時だ。脳がしびれるような快感がある。
 先週は『ターンワールド』の最後の章をたった二文字変えるだけで全然違うラストにできることがわかって一文字の威力を知った。過去の物でもずっと改稿しているとそれなりに得るものはある。それはきっと新しく書く小説の固い土台になるのではないかと今は感じている。

(2018年3月31日 牛野小雪 記)




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 やっと蒲生田岬の改稿が終わりました。話自体は変わらないけれど、以前より読みやすくなっています。5月9日以前の版を持っている人はアマゾンに申請すれば、最新版をダウンロードできます。 ※最新版に更新すると旧版は読めなくなります。



 改稿したついでに表紙にも手を加えた。といっても文章の方と同じで大きくは変えていない。具体的には以前の表紙は白く焼けたようになっていたので、全体の明るさを落として、コントラストは強くして色をハッキリさせた。(コントラストの意味は分かっていない)それとタイトルの字をちょっとだけ太くして読みやすくした。
 だけど蒲生田岬をちゃんと読める人が何人いるんだろうか? 私もこれを書き始めるまでは何と読むのか知らなかった。ちなみに“かもだみさき”とよむ。“がもうだみさき“ではない。でもパソコンで打つ時は”がもうだみさき”と打っている。

蒲生田岬 表紙案比較

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お盆までには出すという気持ちで書いて、ぎりぎり間に合いました。
新作『ヒッチハイク!』のリリース開始です。


『お盆までには帰る』 
毎年夏休みが始まると東京から徳島の実家へ手紙を送る。 
僕は8月までだらだらと自堕落な日々を送り英気を養うと郊外のコンビニへ向かった。 
ここでヒッチハイクをするのだ。 
道々に出会う日常では出会うことができない人や物事。世界の裏側。 
たった一人の無謀な暑い冒険。真夏の地獄巡りが始まる。



題名通り正木忠則君がヒッチハイクをして実家まで帰るというお話です。
お盆のお供に是非どうぞ。
8月いっぱいまで250円です。

 

広告まで作った。わりと面白い出来なので、どこかに貼ってみたいという衝動に駆られる。勝手に電柱に貼ったら怒られるよね?

ver9ヒッチハイク広告 580×400 雛型のコピー



(2015年8月11日 牛野小雪 記)

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