エバーホワイトを出してからずっと過去作に手を加えている。何も書かないと決めた一ヶ月が過ぎたが、未だに改稿している(ってことはずっと書いているということになる。でも初稿と改稿の執筆って別物のような気がする)。

 今年書いた幽霊になった私は、別に手を付けなくても良かったぐらいで、本当に撫でたような感じだった。二年前に書いた真論君家の猫はちょっと手応えがあった。

 それで今 グッドライフ高崎望に手を付けているのだけれど、気持ちが良いぐらいの手応えがある。いかにも改稿しているという感じで、初稿から二回まわしたぐらいのゴリゴリ感。

 これを書いた時と、今の自分はかなり離れた場所にいるのだろう。 とっても摩擦している。なかなか前に進んでくれない。たぶんかなり質感が変わると思う。しかし前にブログに書いたように、誤字脱字の修正ではなく、書き直しみたいな物だから以前の版を読んだ人には変化は分からないのが残念(まて、再読してくれると思っているのか?)。

 しかしだ、初稿から二回まわしたぐらいのゴリゴリ感とはいえ、出版する前の緊張感はほとんどない。初稿から二周目なんて「こんなの駄目だ。誰も読まない」と絶望するぐらい緊張している。二年前の作品ということもあるが、それなら幽霊の時だって緊張しても良いはずだ。

 私が思うに、両作の評があらかた出た感が出ているからではないかな。レビューも一年に一個出たら良いほうだろう。これを出したらどうなるだろうか、という不安がない。

 それで言えば出版前に誰かに読んで感想をもらうのは良いことかもしれない。

 
下読みしてくださる人を募集中です。原稿用紙450枚ぐらいの長編です。やっていただける方はDMでご連絡ください。今月中に読んで所感をいただけるとありがたいです。

 みたいな感じで。(450枚って凄いな。読むのに何日かかるんだろう。おまけに所感まで)

 悪ドラ会みたいに品質向上が目的ではなく、ただ読んで評を貰うだけ。いくつかの評をもらって、なるほど他の人にはこういう読まれ方をするのかと作品の輪郭が見えてくると、作者の心もどこか腰が座ってくるのかもしれない。
  
 そうそう、その座った作者の心でグッドライフ高崎望を読んで改稿しているわけだが、やっぱり今とは全然違う。もしある人がエバーホワイトを読んで、次に幽霊になった私を読んだとしても、そう驚かないと思う。でもグッドライフ高崎望を読んだら、ちょっと衝撃的なんじゃないかな。げぇ、コイツ突然下手になった、みたいな。
 
 そう思われないように手をかけているわけなんだけど、何というか小手先に過ぎないというか、設計図の時点でもう違いが出ている。しかし、換骨奪胎して一から書き直そうとも思えない(それにたぶんできない。もうあれを書いていた時と同じ気持にはなれない)。

 短編一個99円、中編280円、長編360円という値付けでやっているけれど(上下本は720円。猫は実験的な特別価格。長い寄り道は中途半端な長さだから中途半端な価格)、同じ中編の黒髪の殻と、火星とドアノッカーなんて長さは同じでも、中身は段違いなわけで、それを同じ値段にしててもいいのかなぁという気持ちがある。

  三年経ったら文庫本が出るみたいに、三年経ったら99円にしようかなとも考えたのだが、そうすると99円の短編と横並びになってしまう。う〜ん、それはどうかなぁ。30円ぐらいにしないと値段とボリュームが合わない。でもKDPは99円が最下限だ。どうしたらいいのかなと考えている。

(おわり)

私だけ?:縦書き横書きに限らず、お金は100円みたいに数字で表記するとしっくりくる。一年、二年、十年みたいな時間は漢数字の方がしっくり来る。でも100万円は百万円の方が百万円っぽいし、百万年より100万年の方が100万年感がある。
  もっと言えば 1,000,000年の方が良い。

たまには:宣伝でもするか。エバーホワイトは今年いっぱい99円です。短編じゃなくて長編です。

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やっぱり:出版社名は牛野小雪がいいかも。だってAmazonのリンクを貼るとタイトルの後ろにつくのは何故か出版社名。出版社で本を買う人なんているのか? だいたい牛舎ってなんだよという話だ。牛野小雪に戻そうかな。変えるの面倒くさいな。やっぱりやらないかもしれない。

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