今はどうか知らないが、昔読んだ本で日本とアメリカの出版業界の違いについて言及していた本があった。その本によると、日米共に長篇の方が読者に与えるインパクトが強いというのは共通しているが、アメリカの新人作家はまず短篇をいくつも書いて金を稼いだり力をつけてから、アパートに篭って長篇を書き下ろすそうだ。日本ではデビューしてもわりと長篇を書く場合が多く(純文学を除いて)。その代わり文芸誌や新聞に連載を持って、長篇を書いている間の生活費を稼ぐスタイルらしい(連載していれば原稿料が入り、生活ができる。でも最近は枠が詰まっているから書き下ろしも多い)。

 KDP界隈でも幻夜軌跡さんはコンビニ戦記をシリーズで書くそうだ(現時点では、まだ一巻しか出ていない)。吉野茉莉さんの藤元杏も二巻目を出している(続編を出していないのは藤井さんぐらい?)。それを見ていて、ああ恐いなあと私なんかは思う。

 長篇を書くのはとても負担が大きく消耗が激しいわけで、それを一巻二巻と続けて書くのは考えただけでも恐ろしい。でもそこにはひとつ当たったら続けて同じ場所を撃ち続けて、ペンペン草も生えないぐらい(←この表現は古い!)市場をしゃぶり尽くさないとやっていけない出版不況が関係しているらしい。

 KDPというのはページ数に関係なく出版できて、大体の傾向として長篇を出している作家は少なく、短篇が多い印象がある。もしかするとアメリカの文学界みたいにKDPから未来の大作家が短篇を書きながら育って、いつか歴史に残るような大長篇を世に出してくるかもしれないな、なんてことを考えた。

まあ、別にその場所はKDPでなくても良いわけだけど、ここから出てくると良いな(そういえば上記の三人共KDP 以外の場所で活動してたね)。界隈がホットになれば、もっと面白くなりそうだと思う今日この頃でした。

 

(おしまい)

 
幻夜さん、吉野さんの本