愚者空間

牛野小雪のサイトです。 小説の紹介や雑記を置いています。 あと短い話とか。

2020年07月

 今年の八月に徳島県のそごうが閉店するので、何階にあるかは忘れたが本屋に行った。去年はそこでガルシア・マルケスの『百年の孤独』の新潮社から出ている綺麗な装丁の本を買って、お気に入りの一冊になったので、給付金で10万円が転がり込んできたし、閉店セールで安く買えないかなとエロい心を抱きつつ『族長の秋』向かったわけだ。

 閉店セールはやっていたがコロナのせいか客足はまばらだった。閉店するぐらいだから元々客足は少ないが、エスカレーターに乗っていると一階上にいる赤ちゃんの「ばぶ」が聞こえるほど閑散としていた。本屋に行くと目当ての『族長の秋』どころか全てのガルシア・マルケスがなかった。一年も同じ品揃えなわけないかとこの時に気付いた。日本では再販制度で本のセールが存在しないことにも。

 でも、せっかくそごうまで来たのだから何か買って帰らないと損なので、本屋をうろうろしていると『老人と海』の新版を見つけた。表紙がとても綺麗なのでジャケ買いした。今までこんな表紙は見たことがないと思っていたが今年の7月に出たばかりの新版だそうだ。


 既に持っている本の新版という流れができたので『キャッチャー・イン・ザ・ライ』も買った。訳は村上春樹。装丁は・・・・シンプルだね!


 コロナがなければ記念に何か食べて帰りたかったけれど、外食するのも面倒になったので本だけ買って速攻で帰った。さらばそごう。もう会うこともあるまい。今までありがとう。おかげで良い本に出会えた。

(おわり)

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 七月二十三日に第四章をwordに打ち込んだ。1万6千字。よくやく冒頭が終わった。その時書いている章は毎日推敲しているが、全体の推敲はまだ一度もしていないので、試しにkindleで推敲してみると最初の一行で今までと違う感触があった。ロゴーンに突っ込んでみても、いつも井上靖と出ていたのが遠藤周作に変わった。良い悪いは別にして違う物が書けているようだ。

 五月から書き始めて七月の下旬までの約三か月で1万6千字。この調子だと完成まで2年ぐらいかかりそうだし、それだけ時間をかけても10万字を超えないかもしれない。時々今まで使った時間を考えてゾッとする瞬間がある。去年『流星を打ち砕け』の仮書きを書き始めたのも『ペンギンと太陽』と同じくらいだが、7月にはもう千秋がユニコと一緒にアイスクリームを子供たちに配っているところまで書けていた。

 今回は書き方が違うとはいえ進みが遅いのは間違いないので、どうも焦ってしまう。別に小説の完成をだれに急かされているわけではないが、一つの小説とじっと向き合うのは息苦しい。一つの章を何度も推敲して書き直すので、word上では何日も進まないわけで、何日も書いて書いて書きまくっているが、wordに打ち込まないのは自分がそれを許さないからで、実はよくよく考えていると何日も書けないでうんうんうなっているのと同じ苦しみがあるのだと気付いた。無意識で起きていたことを意識的にしているに過ぎない。一か月に一日か二日しか書けない超スランプ状態で書いているのと同じで苦しくないわけがないのだ。

(おわり)

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 吠声という言葉は今まで<ほおごえ>と読むものとばかり思っていたが、いざwordで打ち込もうとすると全然出てこないので漢字辞典を調べると<ほえごえ>と読むらしい。前にドイツ語の発音がどうとか書いたが、日本語にも不思議な発音がある。有名なのは<いう>と<ゆう>だ。言うのふりがなは間違いなく<いう>でテストにも出てくるぐらいだが、実際の発音は<ゆう>である。おそらく日本語の発音を何十年も研究しているNHKも<ゆう>と発音するのが正しいと言っている。ただしこれは言うのふりがなの問題で、口語的な書き方をするギャル語では<ゆう>と書かれていることが多いような気がする。現代の言文一致運動かもしれない。

(おわり)

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 毎日同じところを書いている。プロットは書く前に引いているので仮書きで何を書くのかも決まっている。5回目ぐらいになると手が憶えている所もあって、こんな書き直しに意味はあるのか? と自分でも疑う時がある。

 同じものを書こうとすれば同じものが出力されるはずだが、不思議なことにまったく同じが出てくるわけではない。もちろん9割くらいは同じだが、わずかな違いもある(推敲してるし当然か)。その違いが積み重なっていくと、ある瞬間にパッと白い稲妻が走って、そこからバババッと水が氷に変わるようにひらめきが広がっていく。こういうことが起きると、ああ、やっぱり間違っていなかったなと思える。
004 kick


 もう小説を一本書いたような気がするし、事実、字数で言えばもう10万字以上書いている(9割は同じだけど)。それなのにまだwordには4000字しか書かれていないというのが凄いよなとビックリする。5月から仮書きを初めて、もう6月も中頃なのに、まだ2章を書き終わっていない。こんな調子でこの小説を書き終えることができるんだろうかと不思議に思う。もしかしたら『ペンギンと太陽』は頓挫するかもしれない。でも今が一番良い小説を書いているような気がしている。

(おわり)

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 ようやく2章をwordに打ち終えた。5月19日から6月18日までかかって約4000字。延べ平均すれば約130字/日となる。原稿用紙一枚より少ない。たぶん今世界で一番遅い小説家は牛野小雪なのではないか。書いていないわけではないけれど、ノートに書いた仮書きの90%以上は使われないので取れ高が少ない。そこまでやってもやっぱりまだまだだと思う。先月の第一章はもうばりばり推敲できてしまった。2章だってたぶん時間を置けば手を加えられるだろう。完璧な文章なんて夢物語のような気がしてきた。
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 今回は仮書きを毎日推敲して、次の日はまた一から書き直している。賽の河原だ。この書き方だと長編はもちろん短編でさえ書き切ることは不可能なので、一章ごと(原稿用紙10枚ぐらい)に書くことにした。

003 take10


 一章はtake10。つまり10回書き直してからwordに打ち込んだ。約4000字。最初はプロットを書いていた期間もあるので、この先数字が増えることもあるだろうが、プロットを書き始めてからここまで来るのに延べ平均70字/日だと分かった。遅い遅いと思っていた『流星を打ち砕け』でさえ800字/日はあったからとんでもない遅さだ。

 推敲はまず一通り書き終えてからやるべきと色んな作家が言っている。まったくその通りで、毎日推敲していると小説を書き進める力が明らかに弱くなったのを感じる。『生存回路』から書けなかった日は一日もなかったが、今回は三年ぶりに書けない状態を味わっている。

 一文字も書けなかった日の夜なんかは、小説一冊を書くのに、こんなに手間と時間をかけて良いのだろうか。とんでもない浪費をしているのではないかという疑問が湧く時がある。それでもまた一から書き直して推敲する。推敲すればしただけ良くなっているような気がする。疲れで背中にべったりと暗い重力が張り付いていても、そこだけはみずみずしい手応えを必ず感じられる。

 season3の執筆はとことんやるがテーマだ。得るものが労力に見合わなくても、やると決めたのだから、やれるところまではやってみるつもりだ。

(おわり)

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 ヨハン・ラインホルト・フォスター(Johann linehold Forster)という鳥類学者について調べていると、lineholdがなぜラインホルではなくラインホルなのか気になってしまったので調べた。dの発音はドイツ語でもダ系の発音だが、音節の最後のくるとtの発音になるらしい。なぜそうなるのかは分からなかった。とにかくtの発音になる。いや、正確には無声音だ。tの口の動きで息を吐くという意味で、たとえばアメリカの大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)をドイツ語で発音したならばドナルト・トランプではなくドナル・トランプになる。怒鳴るは日本語だけど、怒鳴っている印象が彼にはある。ちなみにトランプ大統領はドイツ系らしい。

002 ドナルトランプ


 アルファベット発音って理不尽だよなと思う。英語圏の言葉はこういうのが多い。英語でもknightのkは発音しない。クナイトではなくナイトだ。欧米圏の人は何で読めるのかなと不思議になるが、実は読めない人はそう珍しくない。識字障害は10人に1人もいるそうで、ハリウッドスターのトム・クルーズもそうだ。英語を読むのはミッション・インポッシブル。ネイティブでさえつまづくのだから、日本人が英語が下手なのは仕方がない。どうしてローマ帝国は滅んだのだろう。そうすれば綴りと発音が分かりやすかったのに。

 でも小学校を思い返してみれば、どうして『は』が『わ』になるのか意味不明だった。今でもそうだ。『は』と『わ』の違いは体得しているが、理解はしていない。この時は『は』、この時は『わ』と分かるだけだ(もしかしたら分からない時もあるかもしれない)。探せば、どの国の言葉にも理不尽はある。それを含めて文化なんじゃないかな。明治時代に日本語を作り直そうとした人達はいるが失敗している。変えようと思って変えられるものではないが、変わる時は変わって欲しくなくても変わるものだ。

(おわり)

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