愚者空間

牛野小雪のサイトです。 小説の紹介や雑記を置いています。 あと短い話とか。

2020年02月

 最近コロナウイルスで世間が騒いでいるけれど、去年の二月はインフルエンザで何日か布団の中で震えていて()、熱に浮かされている時に、ヘミングウェイのように一年寝かしたらどうなるのだろうという考えが頭をよぎって、その時は絶対にするわけがないと思っていたが、本当に一年寝かしてしまった。熱で頭がおかしくなったのかもしれない。

 久しぶりに『山桜』を読むと、当然ながら去年の熱はもうなくて、それが良いことなのか悪いことなのかは分からないが、多少書き直したところはあった。そこは去年からどうしようかと迷っていたところで、一年経ってみれば迷うほどのことはなかったし、書き直した後でもう一度読み直しても、やはりそうするべきだと思えた。問題点(迷うぐらいなので、明確な問題だったというわけでもないが)は去年のうちに掴んでいたのだから、その時にもう一歩踏み込んでいれば同じ結果だったかもしれないし、やはり一年時間をかけなければ書き直せなかったかもしれない。人生の二つのルートを同時に歩むことはできないので分かるはずはないが、ただこれが良い小説なのは間違いない。でもいつ出すのかはまだ分からない。徳島公園の桜はもう咲いてしまったし、そもそも題名に桜とついているが春の桜を見る話ではないし、とか色々考えているが、ストックしておくのが一番良い気がする。いつでも何かしら出せる状態であるのは気持ちに余裕が出て、精神的に良い。

 表紙の方は一季節に二つか三つのアイデアをひらめくので、フォトショップのファイルが13個もある。jpegファイルは70個(バージョン違いがほとんど)だ。これは最高だ! と毎回思っていたが、いつもそれを超えてくれたのはありがたい。小説は表紙込みで一年寝かせた方が良いのかもしれない。


》おわり 2020年2月28日(金)牛野小雪 記


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 パリ・レビューによるとヘミングウェイは毎日書いた物を推敲していたらしい(もちろん原稿になってからも推敲した)。そんなやり方でまともに小説を書けるんだろうか。書いている途中で推敲すると明らかに筆が鈍る。『流星を打ち砕け』も最初は毎日推敲していたが、どんどん書けなくなったので、千秋がユニコと再会する辺りでやめた。そこからはぐんぐん書けるようになった。でも書けることが偉いことか?

 私達は小説家が一年に何冊も本を出すことに慣れていて、昔の作家は、一年に一冊、あるいは数年に一冊というペースで書いていたことを忘れている。それも大長編ではなく文庫本で言えば小指より細い一冊の本をだ。

 Season3はもっと小説に対して真摯に取り組んでみたい。仮書きの段階でも毎日推敲してもいいのではないか。勢いに頼らずに書いてもいいではないか。むしろ勢いで大事なことをごまかしているのではないか。そんなことを今は考えているが、いざその時が来たら進みの遅さに耐えきれなくなって推敲を後回しにするかもしれない。

 小説はもう書いてしまったので、今は雑感帳や日記を毎日推敲している。それで何かがすぐに変わるとは思えないけれど、10年後にはどこかに到達できているのかな。

(おわり)

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