愚者空間

牛野小雪のサイトです。 小説の紹介や雑記を置いています。 あと短い話とか。

2018年03月

 ヒッチハイクはほとんど人名が出てこない。副題が~正木忠則君のケース~だが、たぶん彼の名前が出てくるのも片手で数えるぐらいではないだろうか。改稿している時に忠則とかいきなり出てきて、作者でさえ一瞬誰だか分からなかったほどだ。最後に出てくる姉の夏未の方がよっぽど名前が出てくる。
 他の人は旅館の女将さんとか、男とか、インド人とか、ヒッチハイクの小説を書こうとしている牛何とかという小説家とか。彼らに名前はあるのだが正木忠則君は人の名前を忘れてしまうので、そうなっている。理由はない。そういう小説を書いてやろうと技に振った小説だった。

 名前は別にあってもなかっても支障はなかったが、旅館の女将さんと、大阪のおっぱいが大きいひどい顔をした女は『エバーホワイト』を書いた後だったらもうちょっと別のことを書けただろう。でもこの時はどうしても一歩踏み出せなかった。その時、その時で書ける物を書くしかないんだからしかたがない。火星の話だって本当はオペレーターの女の人とのやりとりがメインになるはずがどうしても女性を書くのが恥ずかしくてメールの味気ないやりとりになったようなものだ。
 『聖者の行進』から全作改稿を始めてから4ヶ月が経とうとしている。まだ『ヒッチハイク』を改稿しているということは半年近くかかる計算になる。この間に色々書いた物はあるが誰かに読ませるための小説は一文字も書いていない。これだけ長い間書かなかったのは初めてで、また書けるのかなと不安になるのだが、また別のところでは凄い物が書けるんじゃないかとも思っている。
 『聖者の行進』から一章ずつ、短い章を繋いでいく物は1万字前後のファイルに分けて改稿をしていて、大体5~7回ぐらいやる。場所によっては10回以上する。何度も同じような文章を読むことになるのだけれど不思議と飽きない。むしろやればやるほど読むのが楽しみになる。一番良いのは一文字も変えなかった時だ。脳がしびれるような快感がある。
 先週は『ターンワールド』の最後の章をたった二文字変えるだけで全然違うラストにできることがわかって一文字の威力を知った。過去の物でもずっと改稿しているとそれなりに得るものはある。それはきっと新しく書く小説の固い土台になるのではないかと今は感じている。

(2018年3月31日 牛野小雪 記)




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 本当は先週で終わりでも良かったのだけれど、調子が良いとまだまだ踏み込めるので、今週もずっと『ターンワールド』の改稿をやっていた。何だかんだで『聖者の行進』と同じくらい時間をかけてしまった。絵が上手くなると上手い絵を描くようになるので、結局絵を描くのにかかる時間は初心者もベテランも変わらないという話を思い出した。

 全体的な感じとしてはseason 2最初の小説だけあって、season 2最後の『聖者の行進』の種があちこちにあるなという印象。でもこれを書いている時は全然『聖者の行進』みたいな物を書くとは思っていなかった。まだ構想もできていない『John to the world(仮題)』が完成形と思っていたから意外だ。っていうか、いつになったら私はJohn を書くんだ?

 もしかすると変にいじって改悪しているんじゃないかって思う瞬間があった。でもたぶんこれはこれで正解じゃないのかな。まだベストではないけれど、三歩ぐらいは近付けた気がする。でも今はここがオールアウトの地点だ。



 せっかく改稿したのだから読み直して欲しいという気持ちもあるのですが、例によって改稿版の再配布はありません。
 しかし『ターンワールド』上下刊と上下統合刊の2バージョンある。というわけで上下刊も上下統合刊も無料キャンペーンすることにしました。
 一度読んだ本を読み直すというのもなかなか良いものですよ。
(おわり 2018年3月24日 牛野小雪 記)


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 休養期間中は何もしていないと罪悪感を感じたので宇宙について考えていた。何日かスティーブン・ホーキング博士と話しているところを妄想していたら、博士が死んだというニュースが飛んできたので驚いた。次は誰と話しているところを妄想すればいいのだろう。

 今週は休養期間なので昨日と今日しか改稿していない。とはいえ昨日は7万字も改稿してしまった。これは飛ばしすぎじゃないかなと思っていたら、昨夜はギンギンに頭が冴えて全然眠れなかった。やっぱり無理は良くない。今日は調子が悪くてあんまり改稿できなかった。何事もリズムが大切だ。

 それにしても改稿が終わらない。これまた休養期間中だが『聖者の行進』をちょっと読んでみると、ここもあそこも、と改稿できる場所が見つかって、読んだ章を改稿してしまった。『火星へ行こう君の夢がそこにある』も同じ理由で改稿した。こんなことばっかりしていたら改稿だけで人生終わってしまうんじゃないかと恐くなった。

 5年分の改稿をするのだから生半可なことでは済まないとは分かっていたが、実際にやってみるとかなり骨が折れる。でも良いことも二つある。一つは過去の作品を手応えある形で改稿できていることだし、二つ目は改稿するたびに自分の中で何かが成長していることを感じられることだ。

 自分で言うのも変だけどseason3は凄い物が出てくるに違いない。

(2018年3月17日土曜日 牛野小雪 記)



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30-5


 30-5日体制にしてから、かなり改稿が進むようになった。1月は一日3~4万字改稿するのがやっとだったが、2月は一日4~5万字改稿できた。調子の良い日は6万字を超えたのでとんでもないことである。

 とはいえターンワールドは終わらず、今日から5日の休養期間に入る。何もしないでいると気持ちが焦れるけれど、じっと我慢する。

 でもこんなことを考える。毎日書いていても不意に書けなくなる時がくるわけで、5日の休養期間を取るのと、不規則に書けなくなるのは結果的に同じなのでは? それなら毎日何かしら手を付けた方が不安にならずに済むかもしれない。

 でも、でも、パソコンの前に現れる改稿した物を読んでいると、やっぱり小説から離れる期間を作った方が良いというのも感じる。何だか分からなくなった。

 ターンワールドの改稿はちょうど二周目で終わった。一周目の改稿が終わった時、空がぱあっ明るくなったような気がした。これを執筆していた時の追体験だ。そういえばターンワールドの初稿が書き終わったのもちょうど3月だ。実は改稿しても何にも変わっていないんじゃないかという気がしてきたけれど、まぁ、自分の手応えを信じてみよう。でも今日から5日間は何にもしない。パソコンの電源にも触れないぞ。

(2018年3月11日 牛野小雪 記)

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 記憶と文字の量は一致しないようで、タクヤが山奥で野犬達と退治する場面が一万字もないことに驚いた。あそこは2万字くらいあると思っていた。それとは逆にタクヤと猫が出会って焚き火で●ンコを包んだ新聞紙を燃やすところまでで2万字近くあるのにも驚いた。作者の思い入れが大きいほど文字数は少なくなるらしい。それとも気合が入っているから密度の濃い文章が書けるんだろうか。

 改稿ばっかりしているせいか、あんまり本を読んでいないので折羽ル子さんの新作を読んだ(短いし)。マックでハッピーセットを頼んだら、当店のパテは生肉100%で安全管理は杜撰ですという説明を読まされた後、店の奥にあるトイレで水がシャーと流れて、カウンターの向こうで八頭身のウサギが小躍りしているという感じがした。でも一言で表すなら縄文土器。

 何かの本で、何故ドストエフスキーとかヘミングウェイが後世に残って、当時は彼らより凄かったベストセラー作家が何故消えたのか解説していて、それによると前者の方が文学的に重要だからという理由をあげていた。凄いだけじゃダメなんだなぁと目の開かれる思いがした。日本史における真田幸村と徳川家康の違いみたいなものだ。

 そういう風に考えていくと聖者の行進のレビューで良きにつけ悪しにつけ過去の誰かを引用して語られているということは、この小説が重要な物ではないという事を証明している。19世紀初頭における一個の飛行機は革命だったが、現代では徳島の空にさえ飛んでいるようなものだ。もちろん今でも飛行機は多大な資力と人力が投入されて作られているが、ある一個の飛行機が世界的に重要かとなるとそうはならない。そう考えていくと現代作家が重要な小説を書こうとするのなら100年先のまだ影も形も存在していない意識を見据えて書かなければならないのではないか。

 今まで何か足りないとは漠然と感じていたが牛野小雪には未来が足りないのかもしれない。season3はそういうことも考えながら書いてみたい。

doki


(おわり 2018年3月3日 牛野小雪 記)

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